戦闘民族の獄

きゅーぽけ所属 モンローです

エロ本 中編

前に書いたエロ本 前編

monroepoke.hatenablog.com

の続編となっていますので、先にそちらからどうぞ

 

 

 

中1 夏休み

『プレイボーイ』のたった数ページぽっちのヌード写真では物足りなくなってしまった私は、ついにガチな18禁のエロ本を買おうと家を飛び出した。勿論行き先は例のセブンだ。同級生の母親がいないであろう夕方を狙った(夕食を作ってる読み)

 

店内に入るや否や、即座に雑誌コーナーへと歩を進め、ジャンプを読むふりをしながら人がいなくなるのを待った。チラチラとエロ本を確認しようとしたが、流石は天下のセブンイレブン。中々人が消えない。次々と新しい人が入店してきて、これではエロ本を買う隙が無いと私は判断した。

 

そこで代案として、『プレイボーイ』以上18禁未満の、中学生でも買える『エキサイティングマックス』を買うことに決めた。

↓これ

エキサイティングマックス! 6月号

 

何と言ってもDVDが付いているのが最大の利点で、更なるスケベの飛躍を予感させた。

前回の反省を活かし、店員に話しかけられないようにイヤホンを装着。女よりも話が分かりそうな男の店員を狙い、レジに立った。

 

店員が本を手に取り、18禁ではないかを確認していた。

残念!合法だぜ!

 

無事に購入に成功した私は、急いで帰宅した。

その日は親がいたためDVDを観ることが出来なかったが、存分に読書はできた。

性のレベルは上がった。

 

 

夏休みということで、地区のバーベキュー大会が開催された。家族も全員参加するので、ここしかない!と思い私は参加を拒否した。

 

小学1年生の時、一緒に帰っていた友人が突然傘でチャンバラを仕掛けてきて、私の傘を一方的に折った。怒りが心頭に達し、そいつの家に苦情を1人で言いに行った。子供の喧嘩なので親は干渉しないとかなんとか言いやがって、傘の弁償をしてもらえなかったのを今でも強く覚えている。そいつとは犬猿の仲となった。

同じく小学校1年生の時にあった地区のじゃんけん大会の決勝で、私の相手(チャンバラ野郎)が後出しをしたにも拘らず、審判となっていた誰かの母親が見ていなかったとかで証拠不十分となり私は敗退してしまった。その一件で心を痛めてしまい、以来私は地区のイベントに一切参加していなかった。それもあってか、バーベキュー不参加が特に怪しまれることなく認可された。

  

 

話を戻す。難なく1人で留守番となった私は、DVD鑑賞を目論見た。時々家族が排尿のため帰宅してくることを警戒しておけば、何ら問題は無い。少しテレビの音量を下げ、余すところ無く己を満たした。DVDは全部で4時間ほどで、2時間分がエロでもう2時間分がグラビアなどの薄まったエロであった。

 

どれもサンプルAVで、下半身が映らないようにカットされていた。18禁ではない反動がここで来たか。だとしても、当時の自分にとっては十分すぎるほどのエロコンテンツだったので、満足した。

余談ではあるが、先ほどそのDVDを視聴した。肝心なところがカットされているAVばかりで微塵も興奮しなかった。醜女の出演や、フェチ動画も満載で、お世辞にもエロいとは言えなかった。

 

 

さて、物凄く勘の良い読者はこう疑問を抱いているのではないか?

「『プレイボーイ』が入ってる引き出しの合鍵を親が持ってるのに、こいつは『エキサイティングマックス』を一体どこに隠してたんだ?」

 

『プレイボーイ』は親にばれた後直ぐに捨てた。例の古本屋で無料で置いていた微エロ漫画を所持していた時にも親に感付かれたし、もはや引き出しは安全地帯なんかではなかった。

私は安全な置き場所を考えた。

 

天啓!

悪魔的発想が降ってきた。

 

 

木を隠すなら森!

 

 

 

 

そう!通学カバンだ!

カバンの底に『エキサイティングマックス』を入れ、教科書で覆い隠す。

誰にも見つからない神の領域だ。

 

斯くして私は、カバンの底に本を潜ませ、来る日も来る日も通学した。

教室の中にエロ本がある。その事実が私をドキドキさせた。

 

しかし、1つだけ問題があった。

クラスメイトに物凄く詮索好きで、私を敵対視している嫌な奴がいたのだ。ここではJと書く。Jとは2年生になっても揉めに揉めるのだが、それは関係ないのでここでは省く。

 

私の中学校では朝読書という制度があった。朝のホームルームの15分間、各自が持参した本を読むというものだ。そこで私は爆笑問題の本を読んでいた。時々下ネタが書いてあるし、何よりも爆笑問題を真剣に読んでいるという事実を知られるのが嫌だったため、ブックカバーをかけていた。

 

放課後、私が忘れ物を取りに教室に戻ると、Jが友人らと私の本を引き出しから取り出そうとしていた。間一髪のところでそれを取り返し、思い切り叱りつけてやった。爆笑問題はバレずに済んだが、そろそろカバンに本を隠すのも限界だなと思い始めた。いつかカバンをあさられてしまう。

 

 

隣のクラスの奴が朝読書で官能小説を読んでいて検挙された。

また、学年全体で遊戯王が流行していたため、次々と検挙者が出た。私もその中の一人だった。徐々に学校全体が厳しく生徒を監視するようになってきた。

 

ある日の事だった。

 

持ち物検査が始まった!!!!!!

 

カバンの底には勿論『エキサイティングマックス』が眠っている。

どうする???絶体絶命だ。

 

担任が一人一人のカバンをチェックしている。皆も密かに菓子やカードをブレザーの内ポケットに隠している。

しめたもんだ!

私は比較的大きい図画工作の教科書で『エキサイティングマックス』を覆い隠し、それとなく待機した。

 

自分の番が回ってきた。

私は自ら教科書の山をカバンから取り出し、机の上に置いた。勿論『エキサイティングマックス』も机の上にある。仕切りにブレザーをチラ見するというミスリードを敢行し、教師の視線をそちらへと釘付けにすることに成功した。そもそも教師の狙いは菓子やカードの摘発であり、教科書には目が行かない。

「ブレザーのポケットも見せろ」と教師は言った。

ここまで来れば勝ちだ。勿論何も持って来ていないので、お咎め無し。九死に一生を得た瞬間だった。

 

その日の帰り道に『エキサイティングマックス』は捨てた。ただし、DVDは捨てなかった。

DVDは私生活で使用するカバンにしまった。

 

 

特に何かが起こった訳でもなく、私は中学2年生となった。

 

6月のテスト期間の事だった。そろそろ18禁の本が欲しくなってきた。ipodにグラビアアイドルの動画をダウンロードしていたがそれにも飽きてきた。

午前中でテストが終わり、良い天気だったので遠くのコンビニへ行き、エロ本を買うことにした。

まだ自分が通ったことのない道をひたすら黒王(自転車)で直進した。

徐々に建物が消え、自然が豊かになってきた。

漕げば漕ぐほど緑が深まる。コンビニは見つからない。

10kmほど漕いだ。

 

道の駅についた。そこから先には道が無く、もう進めなかった。

道の駅にはエロ本が売ってなかった。

 

近くの畑で採れた新鮮な野菜や、体に良さそうなさつまいもチップスが並べられていた。

空虚な気持ちになり、来た道を引き換えした。

勉強する時間が消えたせいで残りのテストはボロボロで、罰として親に携帯(ガラケー)を取り上げられてしまった。

 

 

後編へ続く