戦闘民族の獄

きゅーぽけ所属 モンローです

6世代におけるバンギラス単体考察

 

  これはORASが大流行していた時の話である。当時私は大学1年生で、ポケモン対戦に熱中するあまり学業を疎かにしてしまい進級が非常に危うい状態であった。

 

 そのため私は今までの負債を取り返そうと死に物狂いで勉学に勤しんだわけである。しかしながら、そのような中でもやはりポケモンは切っても切り離せない存在であった。丁度その頃に先輩からフレンドボールに入ったヨーギラスを貰っていたこともあり、私の頭の中には常にバンギラスがいた。 

 

 私は嬉しくなり、バンギラスの当時の対戦環境での優位性を真剣に考察してみることにした。性格を陽気にして竜の舞を使用することで当時対戦環境を席巻していたメガガルーラメガゲンガー・化身ボルトロスあたりに非常に強く出られると思い、ダメージ計算をしながらあれこれと努力の配分や技などを練っていたが、1週間ほど考察しても結論が出ないままでいた。

 

 そんな中アルバイトの時間がやってきた。私は塾講師をしており、パソコンのwebカメラを使用して遠隔地の生徒に数学を教えていた。『東進』を想像すると分かりやすいかもしれない。金銭を受け取っているのにもかかわらず余りにも責任感がない話だが、私は度々生徒の目を盗んで居眠りをしていた。生徒が演習問題を解いている隙に資料を熟読しているフリをしながら眠って元気になっていた。

 

 丁度その時が大学のテスト期間であったため、先程も述べたが進級のかかった私は寝る間も惜しんで勉強していた。日中はテストを受け、夜はアルバイトの生活がしばらく続いていた。更にポケモンの考察までしていたとなると、どうしてもアルバイト中に疲労のツケが回ってくるわけだ。私は眠りに眠った。いつもはイヤホン越しの生徒の声ですぐに目覚めるのだが、その時は中々覚醒しなかったようであり、生徒の「先生!大丈夫ですか!?」といったような私を心配する声を聞いて慌てて飛び起きた。

 

その瞬間私は「バンギラスで竜の舞をして上から殴れ!」と生徒に向かって怒鳴りつけた。

 

 本当に寝ぼけていて訳の分からない妄言を吐いてしまったのだ。突然私が大声を出したため、私のいたブースは静まり返り、画面の生徒も驚きと恐怖の入り混じった顔をしていた。

 

 そこでやっと私は自分がしでかした事の重大さに気づき、「だからこれは上に凸のグラフだろ?だから上から殴るんや!」と、とりあえず「上」というワードを使用して勢いに任せて先程の失態を無かったことにしようとしたが、「えっ!?えっ!?」と生徒は動揺してしまい寧ろ逆効果だった。

 

 普段は雑談を交えながら楽しく授業をしているのだが、その時はお互いに必要最低限のことしか話さないまま暗い雰囲気で授業が終わった。

 

 その後塾長から呼び出されて本気で叱られ、アルバイト先の先輩から「調子に乗るなよ」とLINEが届き、皮肉なことに私が上から殴られてしまった。1年間教えていた生徒たちが志望校を受験した日に殆ど追放という形で退職した。したがって生徒たちの合否は分からないままである。

 

 結局私は無事に進級することができ、何とか希望する研究室に入ることができた。塾を追放されてからは狂ったようにアルバイトの面接に落ちた。また、バンギラスの調整を考え続けていたらいつの間にかサン・ムーンが発売され、考察の全てが水泡に帰した。

 

 結論

ミミッキュは強い!